鉛フリーはんだ|BuhinDana
鉛フリーはんだとは、その名の通り、鉛をほとんど含まないはんだの総称です。従来の鉛を含むはんだ(共晶はんだ)が環境や人体への悪影響を懸念されていたため、代替として開発、普及が進められています。なぜ鉛フリーはんだが注目されるようになったのか、その背景には環境規制の強化があります。




鉛フリーはんだの基本
鉛フリーはんだは、環境保護のために開発されたはんだであり、主に錫(Sn)と銀(Ag)、または銀(Ag)と銅(Cu)などの合金から成分が構成されています。なぜ鉛フリーはんだが普及したのか、その意味や共晶はんだとの違いについて解説します。
鉛フリーはんだとは何か
鉛フリーはんだとは、文字通り鉛をほとんど含まないはんだの総称です。従来の共晶はんだに含まれる鉛が、廃棄された電子機器から溶け出し、環境汚染や人体への有害性(鉛中毒など)が問題視されるようになったため、代替として開発が進められました。なぜ鉛を含まないはんだが必要になったのかというと、それは環境保護と人々の健康を守るためです。RoHS指令などの規制により、電子機器における特定有害物質の使用が制限されたことが、鉛フリーはんだが普及する大きな要因となりました。
鉛フリーはんだが普及した背景
鉛フリーはんだが広く普及した背景には、国際的な環境規制の強化があります。特に、欧州連合(EU)が施行したRoHS指令(特定有害物質使用制限指令)は、電気・電子機器における鉛を含む特定の有害物質の使用を原則として禁止しました。この規制はEU域内だけでなく、EUに電子機器を輸出する世界中の企業に影響を与え、鉛フリーはんだへの切り替えを加速させました。日本国内でも、日本版RoHSと呼ばれるJ-MOSSや、企業の環境意識向上を目的とした自主規制が進められ、環境負荷低減の観点から鉛フリーはんだの普及が進んでいます。これにより、廃棄される電子機器からの鉛の溶出による地下水汚染などの環境問題や、人体への有害な影響を低減することが目指されています。
共晶はんだとの違い
共晶はんだと鉛フリーはんだは、その組成と特性において重要な違いがあります。共晶はんだは主に錫(Sn)と鉛(Pb)の合金であり、最も一般的な組成比率は錫63%、鉛37%です。この組成ではんだ付けに最適な融点(約183℃)を持ち、濡れ性が良く、はんだ付け作業が比較的容易であるという特徴がありました。また、鉛が含まれることで、接合部の信頼性や振動に対する耐久性も高いとされていました。一方、鉛フリーはんだは、鉛の代わりに錫を主成分とし、銀(Ag)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)などの金属を添加した合金です。共晶はんだと比較して融点が高いものが多く(Sn-Ag-Cu系の場合、約217℃~220℃)、はんだ付けにはより高い温度設定が必要となります。また、濡れ性が共晶はんだに比べて劣る場合があり、はんだ付け作業の難易度が上がることがあります。しかし、環境規制に対応できるという最大のメリットがあります。コスト面では、一般的に鉛フリーはんだは共晶はんだよりも高価になる傾向があります。




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鉛フリーはんだの特徴と課題
鉛フリーはんだは環境負荷低減に貢献しますが、従来の共晶はんだにはない特徴や、それに伴う課題も存在します。その材質や成分、融点、そしてはんだ付けにおける問題点について詳しく見ていきましょう。
鉛フリーはんだの材質と成分
鉛フリーはんだは、環境負荷低減の観点から鉛を含まないように設計されたはんだです。その主成分は錫(Sn)であり、これに様々な金属を添加することで、はんだ付けに必要な特性を付与しています。代表的な鉛フリーはんだの種類とその組成成分には、Sn-Ag-Cu系合金があります。この合金は、錫に約3%の銀(Ag)と約0.5%の銅(Cu)を添加したものが一般的であり、汎用性が高く広く使用されています。銀を添加することで融点を下げ、銅を添加することで濡れ性を改善する効果があります。他にも、Sn-Cu系合金はコストパフォーマンスに優れ、Sn-Ag系合金は優れた熱伝導性を持つといった特徴があります。また、低温での接合を可能にするためにビスマス(Bi)を添加した低融点はんだや、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)などを添加して特定の特性を向上させたはんだも存在します。これらの金属の種類や組成比率を変えることで、様々な用途や要求される特性に対応した鉛フリーはんだが開発、提供されています。メーカーからは用途に応じた様々な組成の鉛フリーはんだが一覧として提供されており、適切な選択が重要となります。
鉛フリーはんだの融点と温度
鉛フリーはんだの大きな特徴の一つは、従来の共晶はんだと比較して融点が高い傾向にあることです。一般的なSn-Pb共晶はんだの融点が約183℃であるのに対し、広く普及しているSn-Ag-Cu系鉛フリーはんだの融点は約217℃~220℃です。この融点の違いは、はんだ付けを行う際の温度設定に大きく影響します。鉛フリーはんだ付けでは、共晶はんだ付けよりも高いはんだ付け温度や溶融温度が必要となります。例えば、共晶はんだ付けで340℃程度の設定温度で行っていた作業を、鉛フリーはんだで行う場合、380℃前後の設定温度が必要になることがあります。この高い温度は、はんだごてのこて先の酸化や劣化を早めるだけでなく、基板や電子部品への熱ストレス増加につながる可能性があります。特に熱に弱い部品を使用する場合や、多層基板など熱容量の大きい基板では、適切な温度管理と温度プロファイルの設定がより重要となります。低温での実装が求められる用途には、ビスマスなどを添加して融点を下げた低融点鉛フリーはんだも開発されていますが、一般的な鉛フリーはんだと比較すると信頼性などの点で注意が必要な場合があります。
鉛フリーはんだ付けにおける問題点
鉛フリーはんだ付けは、環境負荷低減という大きな利点がある一方で、従来の共晶はんだ付けと比較していくつかの問題点や難しさが伴います。まず、鉛フリーはんだは共晶はんだよりも融点が高いため、はんだ付けにはより高い温度が必要となります。この高温での作業は、はんだごてのこて先の劣化を早めたり、電子部品や基板に熱ダメージを与えたりするリスクを高めます。また、鉛フリーはんだは共晶はんだに比べて濡れ性が低い傾向があり、はんだが対象の金属表面にきれいに広がりにくいという問題があります。これにより、良好なはんだフィレットが形成されにくく、はんだ付け不良の原因となることがあります。さらに、鉛フリーはんだは凝固時に収縮しやすい性質があり、これが原因ではんだ接合部に「引け巣」と呼ばれる空洞やクラックが発生する可能性も指摘されています。これらの問題点を克服するためには、適切なはんだごてやこて先の選択、はんだ付け温度や時間などのプロセスの最適化、そして作業者の技量が重要となります。
はんだ付け性の課題
鉛フリーはんだにおけるはんだ付け性の課題として、特に濡れ性の問題が挙げられます。濡れ性とは、溶融したはんだが母材表面にしっかりと馴染んで広がる性質のことです。共晶はんだは鉛が含まれているため濡れ性が比較的良好でしたが、鉛フリーはんだは鉛を含まないため、一般的に濡れ性が低い傾向があります。これにより、はんだが対象の金属表面にスムーズに流れず、綺麗なフィレットが形成されにくくなることがあります。特に、部品のリードや基板のランド表面が酸化している場合、濡れ性はさらに悪化します。酸化ははんだ付けを阻害する大きな要因であり、鉛フリーはんだでは共晶はんだよりも酸化しやすいという問題も指摘されています。酸化したこて先や母材では、はんだの濡れが悪くなり、はんだ付け不良につながります。この濡れ性の悪さは、はんだ付けの作業性を低下させるだけでなく、はんだ接合部の信頼性にも影響を及ぼす可能性があります。良好なはんだ付けを行うためには、適切なフラックスの選定や、はんだごての温度管理、こて先のクリーニングなどが重要となります。
融点に関する課題
鉛フリーはんだの融点に関する課題は、主にその高さに起因します。一般的な鉛フリーはんだの融点は共晶はんだよりも数十℃高いため、はんだ付け作業にはより高い温度設定が必要です。この高い溶融温度は、はんだごてやリフロー炉の設定温度を上昇させる必要があり、いくつかの問題を引き起こす可能性があります。一つは、電子部品や基板への熱ストレスの増加です。特に熱に弱いデリケートな部品や、多層基板など熱容量の大きい基板では、オーバーヒートによる損傷や劣化のリスクが高まります。また、高温での作業ははんだごてのこて先の酸化や劣化を早め、メンテナンス頻度を増加させる原因となります。さらに、はんだに含まれるフラックスが高温によって炭化しやすくなり、フラックスの本来の性能が十分に発揮されなかったり、残渣が固着したりする問題も発生し得ます。これらの課題に対応するため、低温での実装が可能な低融点鉛フリーはんだの開発や、より精密な温度制御が可能なはんだ付け装置の導入が進められています。
信頼性への影響
鉛フリーはんだへの移行に伴い、はんだ接合部の信頼性への影響が懸念されることがあります。従来の共晶はんだは、長年の使用実績から高い信頼性が確認されていましたが、鉛フリーはんだは比較的新しい技術であるため、長期的な耐久性や様々な環境条件下での信頼性について慎重な評価が必要です。特に、鉛フリーはんだは共晶はんだと比較して硬く脆い性質を持つものがあり、温度変化による膨張・収縮によって発生する熱応力に対する耐性が低い場合があることが指摘されています。これにより、熱サイクルなどの環境負荷が繰り返されると、はんだ接合部にクラックが発生しやすくなる可能性があります。また、特定の鉛フリーはんだ組成では、時間の経過とともに金属組織が変化し、機械的強度が低下する現象(粗大化)が見られることもあり、これが信頼性に影響を与える可能性も指摘されています。これらの信頼性に関する課題を克服するため、各メーカーでは合金組成や製造プロセスの改善、信頼性評価手法の確立など、様々な取り組みが進められています。用途や要求される信頼性レベルに応じて、適切な組成の鉛フリーはんだを選定し、適切なはんだ付け条件で実装することが重要です。
ウィスカの発生とその対策
鉛フリーはんだにおける重要な課題の一つに、ウィスカ(Whisker)の発生があります。ウィスカとは、はんだめっきされた表面から自然に発生する数マイクロメートルから数ミリメートルにもなる針状の金属結晶です。特に錫を主成分とする鉛フリーはんだで発生しやすく、これが電子部品の端子間などでショートを引き起こし、機器の誤動作や故障の原因となることがあります。ウィスカの発生メカニズムは複雑ですが、はんだめっき層に発生する応力や、下地金属との相互拡散などが要因と考えられています。ウィスカ発生を抑制するための対策としては、はんだの合金組成を工夫することが挙げられます。例えば、ニッケルなどの微量元素を添加することで、金属組織を安定化させ、ウィスカの成長を抑制する効果が期待できます。また、はんだめっきの下地にニッケルめっき層を設けることも有効な対策の一つです。ニッケルバリア層が錫と下地金属との相互拡散を抑制し、ウィスカの発生を防ぐ効果があります。さらに、アニール処理(熱処理)によってめっき層の内部応力を緩和することも、ウィスカ対策として行われることがあります。これらの対策を組み合わせることで、鉛フリーはんだにおけるウィスカ発生のリスクを低減し、製品の信頼性を確保することが重要です。




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鉛フリーはんだの種類
鉛フリーはんだには様々な種類があり、それぞれ異なる組成と特性を持っています。用途や要求されるはんだ付け特性に応じて適切な種類を選択することが重要です。ここでは、代表的な鉛フリーはんだの種類と、はんだ付けにおいて重要な役割を果たすフラックスについて解説します。
様々な種類の鉛フリーはんだ
鉛フリーはんだは、その組成によって様々な種類に分類され、それぞれ異なる特性を持っています。最も一般的で広く使用されているのはSn-Ag-Cu系合金です。これは錫(Sn)を主成分とし、数パーセントの銀(Ag)と少量(通常1%未満)の銅(Cu)を添加したもので、比較的良好な濡れ性と信頼性をバランス良く備えています。Sn-Cu系合金は銀を含まないため、Sn-Ag-Cu系よりもコストを抑えることができ、特定の用途で利用されています。また、低温での実装を可能にするために、ビスマス(Bi)を添加した低融点はんだ(例:Sn-Bi系、Sn-Bi-Ag系)もあります。これらの合金は、熱に弱い部品や基板へのダメージを軽減できるというメリットがありますが、機械的強度が低い、経時的な組織変化による信頼性の問題などが指摘されることもあります。他にも、インジウム(In)や亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)などを添加することで、特定の特性(例:強度、信頼性、濡れ性)を向上させた特殊な鉛フリーはんだも開発されています。これらの鉛フリーはんだの種類は、JIS規格などによって成分範囲が定められており、各メーカーからも様々な組成の製品が一覧として提供されています。用途や必要なはんだ付け特性に応じて、最適な組成の鉛フリーはんだを選択することが重要です。
フラックスの役割
フラックスは、はんだ付けにおいて非常に重要な役割を果たす化学物質です。その主な機能は、はんだ付けを行う金属表面の酸化被膜を除去し、溶融したはんだが母材表面にしっかりと濡れ広がる(濡れ性を向上させる)ようにすることです。金属表面は空気中の酸素と反応して酸化被膜を形成しやすく、この酸化被膜があると、はんだが金属表面に密着せず、良好なはんだ接合部を得ることができません。フラックスは、はんだ付け温度で活性化し、この酸化被膜を化学的に除去することで、はんだと母材の金属が直接接触できるようにします。また、溶融したはんだの再酸化を防ぐ効果もあります。フラックスには様々な種類があり、その主成分や活性度によって分類されます。ロジン系フラックスは比較的活性度が低く、電子部品のはんだ付けによく使用されます。水溶性フラックスや有機酸系フラックスは活性度が高く、洗浄性に優れているという特徴があります。鉛フリーはんだは共晶はんだよりも高い温度ではんだ付けされることが多いため、高温下でも性能を発揮し、かつ適切な洗浄性を持つフラックスを選択することが重要となります。フラックスの適切な選択と使用は、良好なはんだ付け品質と信頼性の高いはんだ接合部を得るために不可欠です。




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鉛フリーはんだ付けの実践
鉛フリーはんだ付けを適切に行うためには、いくつかの重要なポイントがあります。適切なはんだごての選定からはんだ付け温度の設定、そして良好な濡れ性を確保するための方法など、実践的な側面について解説します。
鉛フリーはんだ付けのこての選び方
鉛フリーはんだ付けにおいて、適切なおんだごてを選ぶことは高品質なはんだ付けを行うために非常に重要です。鉛フリーはんだは共晶はんだよりも融点が高いため、より高い温度ではんだを溶融させる必要があります。そのため、鉛フリーはんだ付けに対応したはんだごては、設定温度を高く設定できるだけでなく、温度が下がりにくい熱容量の大きいものや、熱回復率が高いものが適しています。熱容量が大きい、あるいは熱回復率が高いこてを使用することで、大きな部品や多層基板など熱が奪われやすい対象物に対しても、安定した温度ではんだ付けを行うことができます。また、鉛フリーはんだはこて先を酸化させやすいため、酸化しにくい材質のこて先や、こて先の温度を正確に制御できる機能を持つはんだごてが推奨されます。さらに、作業内容や対象物のサイズに応じて、適切な形状や太さのこて先を選択することも重要です。鉛フリーはんだ付けに適したはんだごてを選ぶことで、作業効率と仕上がり品質を向上させることができます。




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鉛フリーはんだ付けにおけるぬれ性
鉛フリーはんだ付けにおいて、濡れ性は良好なはんだ接合部を形成するための重要な要素です。濡れ性とは、溶融したはんだが対象の金属表面にしっかりと広がる性質を指し、これが不十分だと「玉はじき」と呼ばれるような状態になり、はんだが母材にしっかりと接合されません。鉛フリーはんだは、鉛を含まないため、共晶はんだと比較して濡れ性が低い傾向があります。この濡れ性の課題を克服するためにはいくつかの対策が必要です。まず、はんだ付けする表面(部品のリードや基板のランド)が清潔であることが非常に重要です。酸化や汚れがあると、はんだの濡れを阻害します。適切なフラックスを使用することで、これらの表面の酸化膜を除去し、濡れ性を向上させることができます。また、適切なはんだ付け温度と時間で作業を行うことも重要です。温度が低すぎるとはんだが十分に溶融せず濡れが悪くなり、逆に高すぎると母材の酸化を促進したり、フラックスの性能を低下させたりする可能性があります。適切なこて先の形状と温度管理も濡れ性に影響を与えます。良好な濡れ性を得るためには、これらの要因を総合的に考慮し、最適なはんだ付け条件を見つけることが重要です。
鉛フリーはんだ付けを成功させるためのポイント
鉛フリーはんだ付けは共晶はんだ付けに比べて難しい側面がありますが、いくつかのポイントを押さえることで成功させることができます。まず、適切なはんだごてとこて先の選定が重要です。鉛フリーはんだは融点が高いため、温度が安定しており、熱容量や熱回復率の高いはんだごてが適しています。また、こて先の酸化を防ぐためのメンテナンスもこまめに行う必要があります。次に、はんだ付け温度の設定です。鉛フリーはんだの種類によって最適な温度は異なりますが、一般的に共晶はんだよりも高い温度設定が必要となります。しかし、必要以上に温度を上げすぎると部品への熱ダメージやこて先の劣化を招くため、適切な温度管理が重要です。リフローはんだ付けの場合は、はんだの種類に応じた適切なリフロー温度プロファイルを設定することが、良好なはんだ接合部を得るために不可欠です。さらに、はんだ付けする表面の清浄度も重要です。酸化や汚れは濡れ性を低下させるため、事前にクリーニングを行うことが推奨されます。適切なフラックスの選定と使用も、濡れ性の向上には不可欠です。これらのポイントに注意することで、鉛フリーはんだ付けの作業性を向上させ、信頼性の高いはんだ接合部を実現することができます。




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鉛フリーはんだの製造元
鉛フリーはんだは多くのメーカーによって製造・供給されており、それぞれ独自の技術や組成を持つ製品を展開しています。ここでは、主要な鉛フリーはんだの製造メーカーについて紹介します。
千住金属をはじめとする製造メーカー
鉛フリーはんだは、環境規制への対応や電子機器の高機能化に伴い、多くのメーカーが製造・供給を行っています。その中でも、千住金属工業株式会社は鉛フリーはんだの分野で広く知られており、様々な用途や特性に対応した「ECOSOLDER」シリーズを展開しています。千住金属は、Sn-Ag-Cu系を始めとする多様な組成の鉛フリーはんだを提供しており、高い信頼性と作業性を両立させた製品開発に力を入れています。他にも、白光株式会社(HAKKO)は、はんだごてや関連ツールだけでなく、鉛フリーはんだも製造しており、特に手はんだ付け用の製品ラインナップが豊富です。グット(太洋電機産業株式会社)なども鉛フリーはんだを製造しており、電子工作から産業用途まで幅広いニーズに対応する製品を提供しています。これらのメーカーは、それぞれ独自の技術やノウハウを活かして、濡れ性、信頼性、コストなどのバランスの取れた鉛フリーはんだを開発しています。用途や必要なはんだ付け特性に応じて、これらの主要メーカーの製品を比較検討し、最適な鉛フリーはんだを選択することが重要です。メーカーによっては、特定の用途に特化した特殊な組成の鉛フリーはんだや、フラックスとの組み合わせで性能を最大限に引き出す提案なども行っています。




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まとめ
鉛フリーはんだは、環境保護や人体への影響を考慮し、従来の共晶はんだに代わるものとして開発・普及が進んでいます。鉛を含まないことで環境負荷を低減できるという大きなメリットがある一方で、融点が高い、濡れ性が低い、ウィスカ発生のリスクがあるなどのデメリットや課題も存在します。Sn-Ag-Cu系をはじめとする様々な組成の種類があり、それぞれ特性が異なります。適切な鉛フリーはんだ付けを行うためには、鉛フリーはんだに対応したはんだごての選定、適切なはんだ付け温度やリフロー温度プロファイルの設定、そして濡れ性を向上させるためのフラックスの活用や表面処理が重要となります。信頼性に関しては、組成や製造プロセスによって評価が異なり、用途に応じた適切なはんだの選定と実装管理が不可欠です。引け巣やクラックの発生にも注意が必要であり、適切なはんだ付け条件の確立が求められます。主要な製造メーカーとしては、千住金属や白光などが挙げられ、様々な製品を提供しています。鉛フリーはんだの特性を理解し、適切な使用方法を実践することで、高品質で信頼性の高いはんだ付けが可能となります。
鉛フリーはんだの今後の展望
鉛フリーはんだは、環境規制の強化とともに今後もその重要性を増していくと考えられます。RoHS指令に代表される特定有害物質の使用制限は、今後さらに厳格化されたり、対象物質が拡大されたりする可能性があり、これにより鉛フリー化の流れは一層加速されるでしょう。また、使用済みの電子機器に含まれるはんだのリサイクルに関する取り組みも進められると考えられます。鉛フリーはんだのリサイクル技術の向上は、資源の有効活用と環境負荷低減の両面から重要となります。さらに、鉛フリーはんだに含まれる金属成分の中には、人体への毒性が懸念されるものも指摘されており、より安全性の高い組成の開発や、作業環境における適切な管理体制の構築が求められます。メーカー各社は、信頼性や作業性をさらに向上させた新しい組成の鉛フリーはんだの開発や、低温での実装が可能な技術の研究開発を続けています。これらの技術革新により、鉛フリーはんだのデメリットが克服され、より幅広い分野で鉛フリー化が進んでいくと予想されます。今後も環境、健康、そして技術革新の観点から、鉛フリーはんだとその関連技術は進化し続けるでしょう。




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