静電気対策とは

静電気対策とは

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静電気対策とは、製造現場や日常生活において、静電気の発生を抑制し、発生した静電気を安全に除去するための一連の取り組みを指します。
電子部品の分野では静電気放電(ESD)による製品破壊が大きな問題となるため、ESD対策は品質管理の観点から極めて重要です。

具体的には、静電気の発生メカニズムを理解した上で、人やモノ、環境に対して適切な対策を講じ、製品の不良や機械の誤作動、火災などのリスクを低減させることを目的とします。
そのためには、静電気の対策に関する体系的な知識と、それを実践するための具体的な技術や製品の導入が必要です。

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静電気の発生メカニズムとリスクに関する基礎知識

静電気は、異なる物体同士が接触したり摩擦したりすることで、物体間の電子が移動して発生します。
この発生の仕組みを理解することは、効果的な対策の第一歩です。
発生した静電気は、機械や装置、各種機器の表面に蓄積され、やがて放電現象を引き起こします。

この放電は、電子部品の破壊や製造装置の誤作動を誘発するだけでなく、可燃性ガスや粉塵がある環境では火災や爆発の原因にもなり得ます。
また、漏電とは異なりますが、人体への不快な衝撃や、ホコリの付着による品質低下など、生産活動における様々なリスク要因となります。

物質の帯電しやすさを示す「帯電列」とは

帯電列とは、さまざまな素材を摩擦した際の帯電のしやすさとその極性(プラスかマイナスか)を順番に並べたものです。
帯電列で離れた位置にある素材同士をこすり合わせると、より大きな静電気が発生します。
例えば、テフロンやビニール、ゴムのような素材はマイナスに帯電しやすく、ナイロンやウレタン、人の毛、セーターやニットなどの繊維はプラスに帯電しやすい傾向があります。

布や紙、カーテンなどもそれぞれの特性を持っています。
この帯電列を理解することで、接触する素材の組み合わせを工夫し、静電気の発生を抑制できます。
クリアファイルのような身近なものから、工場の設備まで、意図せず帯電しやすい組み合わせが存在するため注意が必要です。
特に電気を通さない絶縁体は静電気が溜まりやすく、金属との接触で問題を起こすことがあります。

静電気が引き起こす引き付け・反発の力「クーロン力」

クーロン力とは、静電気を帯びた物体同士の間に働く引力または反発力のことです。
プラスとマイナスのように異なる極性に帯電した物体は互いに引き合い、同じ極性に帯電した物体同士は反発し合います。

身近な例として、乾燥した日にプラスチック製のくしで髪をとかすと、くしと髪がそれぞれ異なる極性に帯電し、クーロン力によって髪がくしに引き寄せられたり、髪の毛同士が反発して逆立ったりする現象が挙げられます。
製造現場では、このクーロン力によって製品や設備に空気中のホコリやゴミが付着し、品質低下や歩留まりの悪化を引き起こす原因となります。
そのため、クーロン力による異物付着問題は、静電気対策において重要な課題の一つです。

電子部品を破壊する「静電破壊」の危険性

静電破壊(ESD)は、静電気の放電によって電子部品が破壊される現象です。
人体が感じるような数千ボルトの静電気はもちろん、人が感知できない数百ボルト程度のわずかな放電でも、半導体チップ内部の微細な回路を破壊するのに十分なエネルギーを持っています。

この破壊は、人間の目では全く確認することができず、基板レベルでの機能不良や、出荷後の市場での故障といった深刻な問題を引き起こします。
特に、電子部品の高集積化・微細化が進む現代において、静電破壊のリスクは増大しており、製造工程全体を通じた徹底的な対策が不可欠です。
一度破壊された回路は修復が困難であり、製品の信頼性を著しく損ないます。

人体からデバイスへ放電するモデル(HBM)

人体モデル(HumanBodyModel,HBM)は、静電破壊のメカニズムを説明する代表的なモデルの一つです。
これは、カーペットの上を歩くなどして帯電した作業者が、その指先などで電子デバイスの端子に触れた際に、人体に蓄積された静電気がデバイスへ向かって一気に放電される現象を想定しています。

人体は一種のコンデンサとして働き、数千ボルトもの高い電圧を蓄えることがあります。
この放電エネルギーが、電子デバイス内部の微細な回路を破壊する主な原因となります。
多くの静電気対策は、このHBMによる破壊を防ぐことを目的としており、作業者のアース(接地)が非常に重要な対策となります。

デバイス自体が帯電し放電するモデル(CDM)

デバイス帯電モデル(ChargedDeviceModel,CDM)は、電子デバイス自体が帯電し、それが接地された導体に接触した際に発生する放電現象を指します。
例えば、製造ライン上で自動機によってプラスチックのトレイから取り出される際、摩擦によってデバイスそのものが帯電することがあります。

その後、帯電したデバイスが試験機のソケットやステンレス製の作業台といった金属部分に接触すると、蓄積されていた電荷が極めて短時間に、かつ大きな電流で放電されます。
この急激な放電がデバイス内部の回路にダメージを与えるのがCDMです。
HBMとは異なり、デバイス側が帯電源となる点が特徴で、製造工程における搬送や実装時の対策が重要になります。

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静電気対策で押さえるべき3つの基本原則

効果的な静電気対策を講じるためには、3つの基本原則を理解し、体系的にアプローチすることが重要です。
静電気対策の基本は、「静電気を発生させない」「発生した静電気を帯電させない(漏洩させる)」「帯電してしまった静電気を除去する」という3つの考え方に基づいています。

これらの対策方法にはそれぞれ異なる種類があり、単一の対策に頼るのではなく、製造現場の状況や扱う製品に応じて、これらの原則を適切に組み合わせることで、静電気によるリスクを総合的に低減させることが可能になります。
まずは、これらの基本原則をしっかりと押さえることが肝心です。

静電気の発生そのものを抑制する

静電気対策の最も理想的な形は、静電気の発生自体を抑制することです。
静電気は主に物体の接触、摩擦、剥離によって発生するため、これらの要因を管理することが対策の基本となります。
具体的には、帯電列で近い素材同士を組み合わせる、摩擦が起きる速度を遅くする、接触面積を小さくするといった方法が挙げられます。
しかし、製造プロセスにおいて摩擦や剥離を完全に無くすことは現実的ではなく、この対策だけで問題を解決するのは簡単ではありません。

したがって、発生を抑制する努力は重要ですが、それと同時に、次に挙げる「帯電させない」「除去する」という他の原則に基づいた対策を併用することが不可欠です。

発生した静電気の蓄積を防ぐ(帯電させない)

静電気が発生しても、それを物体に蓄積させなければ問題は起きにくくなります。
この「帯電させない」という考え方は、発生した静電気を速やかに逃がす(漏洩させる)ことを目的とします。

そのために用いられるのが、導電性や帯電防止性の素材です。
これらの素材は電気抵抗値が低く、発生した電荷がその場に留まることなく拡散・移動しやすくなっています。
床材や作業台、衣服、包装材などにこれらの素材を用いることで、静電気の蓄積を防ぐことが可能です。
帯電防止のためには、使用する素材の表面抵抗や体積抵抗といった抵抗値が重要な指標となり、用途に応じた適切な管理が求められます。

蓄積した静電気を安全に除去する

静電気の発生を抑制できず、絶縁体のように静電気を漏洩させることも難しい場合に必要となるのが、蓄積した静電気を能動的に除去する「除電」という対策です。
導体であればアース(接地)に接続することで容易に静電気を除去できますが、プラスチックなどの絶縁体はアースに繋いでも効果がありません。
このような絶縁体の除電には、イオナイザ(除電器)が用いられます。

イオナイザは、プラスとマイナスのイオンを発生させて対象物に吹き付けることで、帯電した静電気を電気的に中和し、無害化します。
これにより、接地が不可能な対象物や空間全体の静電気を安全に取り除くことが可能になります。

静電防止剤SX-235
静電防止剤
サンハヤト SX-235
イオナイザーF-93
イオナイザー
ホーザン F-93
静電防止剤SX-S350
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サンハヤト SX-S350

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【実践編】静電気の発生を抑える具体的な方法

静電気の発生を抑制するための具体的な方法として、作業環境の管理や作業プロセスの見直しが挙げられます。
特に、空気中の湿度をコントロールすることは基本的かつ効果的な対策です。

また、帯電防止スプレーなどを用いて物体の表面特性を変化させる方法や、服の素材の組み合わせを工夫することも有効です。
これらの方法は、静電気が起きる前の「予防」に焦点を当てたアプローチであり、他の対策と組み合わせることで、より強固な静電気管理体制を構築できます。

作業環境の湿度を適切に管理する

静電気は、空気が乾燥していると発生しやすくなります。
これは、湿度が高い環境では物体表面に微細な水の膜ができ、その水膜を通して電気が流れやすくなる(漏洩しやすくなる)ためです。
したがって、作業を行う部屋や室内の湿度を適切なレベルに保つことは、非常に有効な静電気対策となります。

一般的に、静電気対策における湿度管理の目安は40~60%RHとされています。
特に乾燥しやすい冬場は、業務用加湿器などを導入して積極的に加湿を行い、作業環境の湿度を一定に保つことが重要です。
これにより、人体や周辺の物体が帯電しにくくなり、静電気の発生を大幅に抑制できます。

帯電防止剤を塗布して表面の抵抗値を下げる

帯電防止剤は、物体の表面に塗布することで静電気の蓄積を防ぐ化学物質です。
主成分である界面活性剤が空気中の水分を吸着し、表面に電気を流しやすい層を形成することで、表面抵抗値を効果的に下げます。
これにより、摩擦などによって静電気が発生しても、その場に留まることなく速やかに漏洩・拡散させることができます。

スプレータイプで手軽に使用できるものから、製造段階でプラスチックフィルムやシートなどに練り込むタイプまで様々です。
絶縁体であるプラスチック製品や設備など、静電気が溜まりやすく接地による対策が難しい場合に特に有効な方法であり、ホコリの付着防止にも効果を発揮します。

摩擦や剥離のスピードを緩やかに調整する

静電気の発生量は、物体同士が接触したり離れたりするスピードに大きく影響されます。
一般的に、摩擦や剥離の速度が速いほど、より多くの静電気が発生します。
例えば、製造ラインでフィルムを高速で巻き出す工程や、粘着テープを勢いよく剥がす作業は、大量の静電気を発生させる原因となります。

対策として、これらの作業スピードを可能な範囲で緩やかに調整することが考えられます。
また、車から降りる際にシートと衣服がこすれる速度を意識的にゆっくりすることも、日常における対策の一つです。
全ての工程で速度を落とすことは生産性の観点から難しい場合もありますが、静電気による問題が頻発する箇所では、プロセスの見直しが有効な手段となります。

帯電列を考慮して組み合わせる素材を選定する

静電気の発生を抑制するためには、接触・摩擦する素材の組み合わせを考慮することが重要です。
物質の帯電しやすさを示す帯電列を参照し、なるべく帯電列上で位置が近い素材同士を組み合わせることで、静電気の発生を最小限に抑えることができます。

例えば、プラスに帯電しやすいナイロンと、マイナスに帯電しやすいポリ塩化ビニルを組み合わせると大きな静電気が発生しますが、ポリエチレンとポリエステルなど、帯電列で近いもの同士であれば発生量は少なくなります。
作業者が身につける手袋と、取り扱う製品の素材との相性を考慮するなど、製造現場の様々な場面でこの知識を応用することが可能です。

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【実践編】発生した静電気を確実に取り除く方法

静電気の発生を完全に防ぐことが難しい場合、発生してしまった静電気をいかに安全かつ確実に取り除くかが重要になります。
そのための代表的な方法が、導体を大地に接続する「アース(接地)」と、絶縁体の静電気を中和する「イオナイザ」の使用です。
これらの方法は静電気対策の根幹をなすものであり、対象物の特性(導体か絶縁体か)に応じて適切に使い分ける必要があります。

確実な除電を行うことで、静電破壊やその他の静電気トラブルを未然に防ぎます。

アース(接地)で静電気を大地へ逃がす

アース(接地)は、導体に溜まった静電気を除去するための最も基本的で確実な方法です。
導電性の物体や人体を、アース線などの導体を通じて大地(地球)に接続することで、電荷の逃げ道を確保します。
大地は非常に大きな導体であるため、蓄積された静電気は速やかに大地へと流れ、電位がゼロになります。

製造現場では、作業台、床、設備、そして作業者自身(リストストラップを経由)を共通の接地点に接続することが重要です。
アースが不完全であったり、配線が途中で断線していたりすると効果がなくなるため、接地抵抗の定期的な測定など、適切な管理が不可欠です。
建物の外にある地面に接続されたアース端子から配線を行います。

イオナイザ(除電器)で空間のイオンバランスを整える

イオナイザは、アースが不可能な絶縁体に帯電した静電気を除去するための装置です。
放電針に高電圧をかけることで、空気中の分子をイオン化させ、プラスとマイナスのイオンを大量に生成します。
このイオンをファンなどで対象物に吹き付けることにより、対象物がプラスに帯電していればマイナスイオンが、マイナスに帯電していればプラスイオンが結合し、電気的に中和させることができます。

ファンタイプ、バータイプ、エアガンタイプ、ブラシ型など様々な形状があり、作業スペース全体を除電するものから、局所的な除電を行うものまで、用途に応じて選択します。
これにより、絶縁体の帯電による様々な問題を解決できます。

静電防止剤SX-235
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イオナイザーF-93
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静電防止剤SX-S350
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【対象別】工場や製造現場で導入できる静電気対策

工場や製造現場における静電気対策は、「人」「モノ(設備・製品)」「環境」という3つの対象に分けて総合的に進める必要があります。
作業者個人が身につける静電気対策品から、作業台や床といった環境設備、さらには製品を保護するためのアイテムまで、多岐にわたる対策品の導入が求められます。

これらの静電気対策アイテムを製造プロセスや作業内容に応じて適切に組み合わせることで、工場全体の静電気管理レベルを向上させ、品質と安全性を確保することが可能になります。

作業者が身につけるべき静電気対策グッズ

人体は静電気の主要な発生源の一つであるため、作業者が身につけるグッズによる対策は非常に重要です。
最も基本的なアイテムは、人体に帯電した静電気を常に逃がすためのリストストラップです。

これに加えて、衣服の摩擦による帯電を防ぐ導電糸を織り込んだ作業着やエプロン、人体から床へ静電気を逃がすための導電性のある作業靴や手袋の着用が推奨されます。
これらのグッズは、単に身につけるだけでなく、それぞれが正しく機能しているか(例えばリストストラップが確実にアースに接続されているか)を常に確認しながら使用することが、対策効果を維持する上で不可欠です。

手首に装着するリストストラップを徹底する

リストストラップは、作業者の人体に蓄積された静電気を安全にアースへ逃がすための最も重要な対策品です。
導電性のバンドを手首(リスト)に密着させて装着し、カールコードを介してアースに接続します。
これにより、作業中に発生する静電気が常に大地へ流れ、人体が帯電した状態になるのを防ぎます。

電子部品を取り扱う作業では、リストストラップの着用を徹底することが静電破壊(ESD)防止の基本です。
正しく機能させるためには、バンドが肌にしっかりと接触していること、そして接続先が確実に接地されていることが不可欠であり、使用前には専用のチェッカーで断線や接触不良がないかを確認する運用が推奨されます。

帯電防止機能のある作業着や靴を着用する

一般的な衣服や靴は摩擦によって静電気を発生させやすく、また絶縁性が高いために電荷を溜め込みやすい性質があります。
そのため、静電気対策が求められる作業エリアでは、専用の作業着や作業靴の着用が不可欠です。
帯電防止作業着は生地に導電性の繊維が織り込まれており、衣服表面の帯電を抑制・漏洩させます。

一方、帯電防止作業靴は、靴底に導電性の素材が使用されており、人体に発生した静電気を、導電性の床を通じてアースへ逃がす役割を担います。
作業着と靴をセットで導入し、導電性の床と組み合わせることで、作業者の動きによって発生する静電気を効果的にコントロールできます。

ヒールストラップ
ヒールストラップ
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導電性手袋 M
導電性手袋 M
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リストストラップ WS-12
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設備や作業環境における静電気対策

作業者個人の対策だけでなく、設備や作業環境全体に静電気対策を施すことも極めて重要です。
作業者が日常的に触れたり、製品が通過したりする場所が帯電していると、そこから静電気が発生・放電するリスクが生まれます。

具体的には、床、作業台、椅子、台車、棚といった設備に対して、導電性や帯電防止性の素材を用いたり、アースへの接続を行ったりする対策が挙げられます。
これにより、静電気に敏感な製品を取り扱うための安全な作業空間を構築し、ヒューマンエラーのリスクを低減させることができます。

導電性のある床材やマットを敷設する

床は、作業者の移動や台車の走行によって摩擦が生じ、静電気が発生しやすい場所です。
導電性のある床材やマットを敷設し、それをアースに接続することで、床面全体の帯電を防ぎます。
これにより、帯電防止靴を履いた作業者の静電気を床へと逃がす経路を確保したり、台車のキャスターから静電気を漏洩させたりすることが可能になります。

導電タイルや導電性シート、部分的に設置できる導電マットやカーペットなど、様々な種類があります。
作業エリアの特性や求められる性能に応じて適切な製品を選定し、確実に接地工事を行うことが、床面の静電気対策を有効にするための鍵です。

作業机や椅子をアースに接続する

作業者が多くの時間を過ごす作業机(作業台)や椅子も、重要な静電気対策の対象です。
作業台の天板には導電性マットを敷き、そのマットをアースに接続することで、机の上に置かれた工具や部品の帯電を防ぎます。
これにより、作業者がリストストラップを接続する接地点としても機能します。

また、椅子に関しても、座面や背もたれ、キャスターに導電性素材が使われた製品を選定し、導電性の床と組み合わせることで、着座中の作業者の帯電を防止します。
テーブルや椅子といった基本的な作業設備をアースに接続し、電位をゼロに保つことが、安全な作業環境の構築につながります。

除電ブラシ Z-367
除電ブラシ
ホーザン Z-367
ESD卓上ブース
ESD卓上ブース
ホーザン F-320
イージーロケーター EG-1
イージーロケーター(静電気探知機)
サンハヤト EG-1

導電性キャスター付きの台車や棚を選ぶ

工場内で製品や部品を運搬する台車や、部品を保管する棚も、移動やモノの出し入れの際に摩擦で帯電しやすい設備です。
特に絶縁性のキャスターを持つ台車は、導電性の床の上を走行しても静電気が逃げず、高電圧に帯電することがあります。
対策として、キャスター部分に導電性ゴムなどを使用した導電性キャスター付きの台車や棚を選定することが有効です。

これにより、導電性の床を通じて走行中に発生した静電気を継続的にアースへ逃がすことができます。
同様の考え方は、部品を投入するホッパーや、塗装工程で用いる什器、工具カートなど、工場内の様々な可動設備に応用できます。

製品そのものを静電気から保護する対策

どれだけ作業者や環境の対策を徹底しても、静電気のリスクを完全にゼロにすることは困難です。
そのため、静電気に敏感な電子部品などの製品自体を、外部の静電気放電から保護する最後の砦として、適切な梱包や保管方法が重要になります。

特に、工場内での工程間搬送や、顧客への出荷・輸送時には、外部からの静電気に晒される危険性が高まります。
製品を物理的に保護するだけでなく、静電気からも保護するという視点で、帯電防止や静電シールド機能を持つ包装材を選択することが不可欠です。

製品の保管や運搬には帯電防止袋・容器を使用する

静電気に弱い電子部品などを保管・運搬する際には、専用の帯電防止袋や容器を使用することが基本です。
これらの包装材にはいくつかの種類があります。
まず、摩擦による静電気の発生自体を抑える界面活性剤が練り込まれた「帯電防止袋」があります。

さらに、外部からの静電気放電(ESD)が内部の製品に影響を与えないよう、電気を遮蔽する導電性の層を持つ「静電シールドバッグ」も重要です。
製品の特性や保護レベルに応じて、これらの袋や導電性プラスチックで作られた容器などを適切に使い分けることで、保管中や輸送中の静電破壊リスクを大幅に低減させることができます。

導電性バッグ
導電性バッグ
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帯電防止バッグ
帯電防止バッグ
エンジニア ZC-92
ESDパーツケース
ESDパースケース
ホーザン B-18

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静電気対策の維持と管理で重要なこと

静電気対策は、一度設備や対策品を導入すれば終わりではありません。
対策が継続的にその効果を発揮しているかを確認し、維持管理していくことが極めて重要です。

そのためには、静電気対策を施したエリア(EPA)を明確に定め、その中での運用ルールを徹底することが求められます。
また、目に見えない静電気の状態を客観的に把握するために、定期的な測定を行い、対策が正しく機能しているかを検証するプロセスが不可欠です。

EPA(静電気保護区域)を設定し運用ルールを徹底する

EPA(Electrostatic Protected Area)とは、静電気に敏感な電子デバイスなどを取り扱うために、必要な静電気対策がすべて施された特定の区域のことです。
この静電気対策エリアを設定し、「EPA内では必ずリストストラップを着用する」「一般のプラスチック製品や衣服を持ち込まない」といった運用ルールを明確に定め、全作業員に徹底させることが重要です。

出入り口を明示し、対策が不十分な人やモノが不用意に立ち入ることを防ぐ物理的な管理も有効です。
EPAを適切に設定し、その中でのルールを厳格に守ることで、静電気によるリスクを管理されたレベルに保つことができます。

静電気測定器で帯電量を定期的にチェックする

静電気対策が意図した通りに機能しているかを確認するためには、定期的な測定が欠かせません。
表面電位計などの静電気測定器を用いて、作業者や作業台、部品、床などの帯電量を数値で把握し、管理基準値内に収まっているかをチェックします。
これにより、リストストラップの断線やアースの接続不良、イオナイザの性能劣化といった問題点を早期に発見し、是正措置を講じることが可能になります。

特定の重要工程では、常時帯電量を監視するモニターを設置することも有効です。
目に見えない静電気を可視化し、客観的なデータに基づいて管理することが、対策の信頼性を高めます。

除電ブラシ Z-367
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ホーザン Z-367
ESD卓上ブース
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ホーザン F-320
イージーロケーター EG-1
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まとめ

静電気対策を成功させるには、まず静電気が摩擦などによって発生するメカニズムと、それが電子部品の破壊や異物付着といったリスクに繋がることを理解する必要があります。
その上で、「発生させない」「帯電させない」「除去する」という3つの基本原則に基づき、対策を体系的に構築します。

具体的な実践としては、湿度管理や素材選定による発生抑制、アースやイオナイザによる確実な除去、そして作業者、設備、製品といった対象別に適切な対策品を導入することが求められます。
導入した対策は、EPAの設定や定期的な測定を通じて継続的に維持管理することで、初めてその効果を持続させることができます。

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