二次電池とは|BuhinDana
二次電池とは、外部から電気エネルギーを与えることで充電し、繰り返し使用できる電池のことです。
「蓄電池」や「充電池」とも呼ばれ、使い切りの一次電池とは異なり、放電しても元の状態に戻すことが可能です。
この充電と放電を繰り返せる特性から、スマートフォンやノートパソコン、電気自動車(EV)といった現代社会に欠かせない多くの電子機器や乗り物の動力源として広く利用されています。
二次電池は、化学エネルギーと電気エネルギーを可逆的に変換する仕組みを持っており、その種類によって性能や用途が異なります。
二次電池とは?一度きりの一次電池との違いをわかりやすく解説
二次電池は充電して繰り返し使える電池であり、蓄電池とも呼ばれます。これに対し、一度しか使えない「使い切り」の電池を一次電池と呼びます。この違いを理解することが、二次電池の基礎を把握する第一歩です。ここでは、二次電池の基本的な定義から、身近な乾電池などの一次電池との違いについて、その目的や名称の由来を含めてわかりやすく解説します。
二次電池について簡単に説明すると、放電によって消費した電気を、充電することで回復させ、何度も使える化学電池と定義されます。一方で一次電池は、アルカリ乾電池やマンガン乾電池に代表される、一度使うと再利用できない電池の分類です。一次電池は、内部の化学物質(例えばマンガン乾電池では二酸化マンガンと亜鉛)が化学反応を起こして電気を発生させ、物質が変化しきると寿命を迎えます。二次電池の「二次」という名称は、電気を一度使った後、再び(二次的に)電気を蓄えて使えるという目的や機能に由来します。このように、充電と放電(充放電)が可能かどうかが、両者の最も大きな違いです。
二次電池が充放電する仕組みとは?正極・負極・電解質の役割
二次電池が電気を蓄えたり(充電)、使ったり(放電)できるのは、内部で起こる化学反応によるものです。
この充放電のプロセスは、電池を構成する「正極」「負極」「電解質」という3つの主要な要素が連携して機能することで実現します。
ここでは、これらの要素がそれぞれどのような役割を担い、二次電池の基本的な構造と仕組みを成り立たせているのかを解説します。
二次電池の充放電は、正極と負極の間をイオンが電解液の中を移動することで起こる化学的な酸化還元反応を利用した仕組みです。
放電時には、負極材(例:黒鉛)から電子が外部の回路へ、同時にイオンが電解液を通って正極へ移動し、正極活物質がイオンと電子を受け取ることで電気エネルギーを発生させます。
充電する際は、外部から逆向きに電流を流すことでこの反応を強制的に逆行させ、イオンと電子を元の負極側へ戻します。
正極材と負極材が直接触れてショートするのを防ぐため、両者の間にはセパレータが設置されています。
電池の製造工程では、活物質を電極に塗工し、ロールプレスで高密度化するなどの精密な作業が行われます。
二次電池の主な種類とそれぞれの特徴を一覧で比較
二次電池には非常に多くの種類が存在し、それぞれ異なる性能や特性を持っています。
例えば、エネルギー密度やサイクル寿命、コスト、安全性などが主な比較のポイントとなり、用途に応じて最適な電池が選ばれます。
市場では日々新しい技術開発が進んでおり、企業間の競争も活発です。
ここでは、現在主流となっているものから次世代技術まで、代表的な二次電池の種類とその特徴を紹介します。
二次電池の種類は、その材料や構造によって性能や特性が大きく異なります。
性能を比較する指標には、軽くて多くの電気を蓄えられるかを示す「エネルギー密度」、繰り返し充電できる回数を示す「サイクル寿命」、安全性、コストなどがあります。
小型・薄型で大容量化が可能なリチウムイオン電池が主流ですが、用途に応じて様々な二次電池が使われます。
最近では、水素を利用する燃料電池や、マグネシウム、アルミニウムを用いた新しい二次電池の研究も進んでいます。
経済産業省もその動向を注視しており、「二次電池展」のような展示会では、セルやモジュールに関する最新情報が公開されます。
【リチウムイオン電池】小型・軽量で高出力な現代の主流
リチウムイオン電池は、高いエネルギー密度を特徴とし、小型・軽量でありながら高出力を実現できる現代の主流な二次電池です。
この特性から、スマートフォンやノートパソコン、電気自動車(EV)まで幅広く利用されています。
正極にコバルト酸リチウムやリン酸鉄リチウム、負極に炭素材料などが用いられ、リチウムイオンが正極と負極の間を移動することで充放電します。
電解液をゲル状にしたリチウムポリマー電池や、外装にアルミラミネートフィルムを使用したタイプなど、形状の自由度が高いことも利点の一つです。
一方で、希少な金属リチウムを使用するためコストが高くなる傾向があり、安全性の確保が重要な課題とされています。
【鉛蓄電池】コストが安く自動車バッテリーなどに利用
鉛蓄電池は1859年に発明された歴史のある二次電池で、100年以上にわたって利用されてきた実績と信頼性があります。
最大のメリットは、他の二次電池と比較して製造コストが非常に安価である点です。
この利点から、自動車やバイクの始動用バッテリーとして広く普及しているほか、ビルの非常用電源(UPS)などにも使われています。
電極に鉛や二酸化鉛、電解液に希硫酸を用いており、安定して大きな電流を流せるのが特徴です。
ただし、エネルギー密度が低く重量が重いため、小型・軽量化が求められるモバイル機器などの用途には向いていません。
【ニッケル水素電池】乾電池型で安全性が高い
ニッケル水素電池は、正極にオキシ水酸化ニッケル、負極に水素吸蔵合金を用いた二次電池です。
リチウムイオン電池に比べてエネルギー密度は劣るものの、有害物質であるカドミウムを含まず、安全性が高いという特徴を持っています。
また、単3形や単4形といった乾電池と同じ形状の製品が多く、「充電式乾電池」として広く普及し、リモコンやデジタルカメラ、おもちゃなどに利用されています。
かつてはハイブリッドカーのバッテリーとしても主流でした。
過充電や過放電にも比較的強く、取り扱いやすい二次電池の一つです。
【ニッケルカドミウム蓄電池】過充電や過放電に強い
ニッケルカドミウム蓄電池(ニカド電池)は、過充電や過放電に強く、大きな電流を流せるという優れた特性を持つ二次電池です。
その頑丈さから、電動工具やコードレス電話の子機、初期の携帯型電子機器などに長年利用されてきました。
しかし、完全に放電しきらないうちに充電を繰り返すと、見かけ上の電池容量が減ってしまう「メモリー効果」という現象が起きやすい欠点があります。
また、負極材料に有害なカドミウムを使用しているため、環境負荷の観点から現在では生産が縮小され、より高性能なニッケル水素電池やリチウムイオン電池への置き換えが進んでいます。
【NAS電池】大容量で電力貯蔵システムに使われる
NAS電池は、負極にナトリウム、正極に硫黄、そして電解質にファインセラミックスを用いた二次電池で、日本ガイシが世界で初めて実用化に成功しました。
メガワット級の非常に大きな電力を貯蔵できる大容量性が最大の特徴です。
そのため、工場の電力負荷平準化や、太陽光・風力発電といった再生可能エネルギーの出力を安定化させるための大規模な電力貯蔵システムに利用されています。
エネルギー密度が高く、自己放電が少ないという長所もありますが、作動させるためには300℃程度の高温を維持する必要があり、主に定置型の用途で活躍しています。
【全固体電池】次世代技術として期待される高い安全性
全固体電池は、現在主流のリチウムイオン電池が抱える課題を解決する次世代技術として、未来の二次電池の本命と目されています。
最大の特徴は、電解質に可燃性の液体ではなく、燃えにくい固体材料を用いる点にあり、これにより発火や液漏れのリスクが極めて低く、安全性が飛躍的に向上します。
また、高温環境でも劣化しにくく、長寿命化や急速充電性能の向上が期待されています。
トヨタ自動車をはじめ世界中の企業や研究機関で実用化に向けた研究開発が活発に進められており、特に電気自動車(EV)の航続距離や安全性を大きく向上させる最新技術として注目されています。
二次電池を繰り返し使うことのメリット
二次電池が広く普及している理由は、充電することで繰り返し使えるという、一次電池にはない大きなメリットがあるためです。
この再利用性は、単に経済的な負担を軽減するだけでなく、環境保護やエネルギーの効率的な利用という観点からも非常に重要です。
ここでは、二次電池を活用することによって得られる具体的な利点や長所について解説します。
二次電池の最大のメリットは、充電して再利用できるため、長期的に見るとコストを抑えられる経済性にあります。
使い捨ての一次電池を何度も購入する必要がなく、廃棄物の削減にも貢献します。
この長所は環境面で大きな利点となり、特に太陽光発電などの再生可能エネルギーで得られた電力を貯蔵し、必要な時に使うことでエネルギーを無駄なく効率的に活用できます。
また、使用済みの二次電池からレアメタルなどを回収するリサイクル技術も確立されており、資源の有効活用という観点からも、持続可能な社会を支える上で重要な役割を担っています。
二次電池を使用する際に知っておくべきデメリット
二次電池は多くのメリットを持つ一方で、使用する上で注意すべきデメリットや課題も存在します。
繰り返し使えるという利便性の裏には、性能の劣化や安全性の問題、廃棄方法の注意点など、理解しておくべき短所があります。
これらの欠点を把握し、正しく取り扱うことで、二次電池を安全かつ長持ちさせることが可能です。
二次電池のデメリットとして、まず充放電を繰り返すことによる性能の劣化が挙げられます。
また、低温や高温といった指定された温度範囲外での使用は、性能低下や寿命を縮める原因となります。
特にリチウムイオン電池は、内部で異常な反応が起きると発火や火災につながる危険性があるため、衝撃を与えたり高温の場所に保管したりしないよう注意が必要です。
コバルトなどのレアメタルを素材に使うため、資源の偏在や価格高騰といった課題もあります。
処分する際は、発火の危険があるため一般ごみとして廃棄できず、リサイクルマークの指示に従って回収協力店などに持ち込む必要があります。
飛行機への持ち込みにも制限があるなど、使い方や処分、保管には注意点が伴います。
二次電池はどこで使われる?身近な製品から産業分野までの用途例
二次電池は、私たちの日常生活に欠かせないエネルギー源として、社会の隅々まで浸透しています。スマートフォンやノートパソコンといった身近な電子機器はもちろん、社会インフラを支える大規模なシステムに至るまで、その用途は驚くほど多岐にわたります。ここでは、二次電池が具体的にどのような製品や分野で利用されているのか、その用途例を紹介します。
二次電池の用途は非常に幅広く、私たちの日常生活に深く根付いています。例えば、最も身近なものとしてはスマートフォンや携帯電話、ノートパソコン、ワイヤレスイヤホンなどが挙げられます。また、電気自動車(EV)の動力源としての利用も急速に拡大しています。乾電池と同じ形の二次電池は、時計、おもちゃ、電動歯ブラシといった製品で活躍します。医療分野では補聴器やペースメーカーにも使われています。産業分野に目を向けると、工場のバックアップ電源や、太陽光発電で生み出した電力を貯める大規模な蓄電システムなど、より大きなスケールで活用されています。このように、二次電池は現代社会を支える基盤技術の一つです。
二次電池に関するよくある質問
二次電池について、その仕組みや種類、メリット・デメリットを解説してきましたが、さらに具体的な疑問点をお持ちの方もいるかもしれません。
このセクションでは、二次電池に関して特に多く寄せられる質問をピックアップし、それぞれに簡潔に回答します。
基本的な違いから寿命、充電の仕組みまで、よくある疑問を解消します。
Q. 二次電池と一次電池の最も大きな違いは何ですか?
最も大きな違いは充電して繰り返し使えるかどうかです。
二次電池は充電することで何度も利用できますが、一次電池は使い切りで再利用はできません。
この違いは内部の化学反応が可逆的か不可逆的かによって生じます。
Q. 二次電池の寿命はどのように決まるのですか?
二次電池の寿命は、主に充放電を繰り返せる回数(サイクル寿命)で決まります。
この回数は電池の種類や使い方によって大きく変わります。
高温での使用や過充電、過放電といった条件は電池の劣化を早め、寿命を縮める原因となります。
Q. 二次電池はなぜ充電できるのですか?
二次電池が充電できるのは、内部の化学反応が可逆的だからです。
放電で進んだ酸化還元反応を、外部から電気エネルギーを与えることで逆方向に戻す仕組みになっています。
これにより、元の状態に復元され、再び放電が可能となります。
まとめ
この記事では、二次電池の基本的な定義から、一次電池との違い、充放電の仕組み、主要な種類とそれぞれの特徴、メリット・デメリット、そして具体的な用途例に至るまで、幅広く解説しました。
二次電池は現代社会を支える基盤技術であり、その特性を正しく理解することは、私たちの生活をより豊かで持続可能なものにする上で不可欠です。
このページのまとめとして、二次電池とは、充電して繰り返し使用できる電池のことで、「蓄電池」や「充電池」とも呼ばれます。
化学反応が可逆的であるため、使い切りの一次電池とは異なり、充電と放電を繰り返すことが可能です。
その仕組みは、正極・負極・電解質という主要な要素の間でイオンが移動することによって成り立っています。
リチウムイオン電池や鉛蓄電池など多種多様な種類があり、それぞれ異なる特性を持つため用途に応じて使い分けられます。
環境負荷の低減といったメリットがある一方で、劣化や安全性の課題も存在するため、正しい知識を持って利用することが求められます。



