BNC -75Ωコネクタ
BNC 75Ωコネクタとは
高精細映像・放送分野に不可欠な同軸接続ソリューション
BNC(Bayonet Neill Concelman)コネクタは、周波数特性が比較的良く(DC~2GHz)小型軽量のため、映像機器や通信機器、計測機器などで広く普及しています。 インピーダンス50Ω、結合が簡単なバイオネットロック方式(バヨネット、バイヨネットなどとも呼ばれます)を採用しています。
BNCコネクタは、50Ωと75Ωに分かれており、50Ωは主に無線機等の電力の伝送用、75Ωは主にテレビ受像機等の映像・音声信号伝送用となります。本ページは、BNC50Ωコネクタに関する内容となってます。
BNCコネクタにおける50Ωと75Ωの違い
BNCコネクタは、その特性インピーダンスにより50Ω系と75Ω系に分類されます。
- BNC 50Ωコネクタ: 主に無線機や計測器など、電力伝送を目的としたアプリケーションで利用されます。
- BNC 75Ωコネクタ: テレビ受像機、放送機器、監視カメラシステムなど、主に映像・音声信号の伝送に特化しています。本ページでは、このBNC 75Ωコネクタに焦点を当てて解説します。
BNC 75Ωコネクタの主な特長
迅速な結合方式(バヨネットロック): バヨネットロック方式(バイオネットロック、バイヨネットとも)は、ネジ切りなしで固定できる着脱が簡単な結合方法です。プラグをジャックのガイドに合わせて挿入し、リング部分をわずかに回転させるだけでロックが完了します。内部のバネの力でしっかりと固定され、ケーブルを引っ張っても簡単には抜けないため、迅速かつ確実な接続が求められる場面で特に有効です。
幅広い用途への対応: BNCコネクタは、その手頃な価格、良好な周波数特性、そしてコンパクトなサイズから、同軸コネクタの中でも最も汎用性の高い製品の一つです。単なる電気信号の送受信だけでなく、RCA端子(ピン端子)の強化版としても利用されることがあります。
選択可能なインピーダンス(50Ωと75Ω): BNCコネクタには、特性インピーダンスが異なる50Ω系と75Ω系の2種類があります。
- 50Ωタイプ: 主に無線機や計測器など、電力伝送や汎用的な信号伝送に用いられます。
- 75Ωタイプ: 主にテレビ受像機や放送機器など、映像・音声信号の伝送に特化しています。
- 互換性に関する注意点: 50Ωタイプのコネクタと75Ωケーブルの組み合わせは、周波数200MHz以下であれば75Ω伝送ラインとして使用可能ですが、200MHzを超える周波数ではインピーダンスの不整合により特性が劣化します。高周波での安定した性能を求める場合は、必ず伝送ライン全体のインピーダンスを揃えることを推奨します。
BNCコネクタの主な用途
BNCコネクタは、その多様な特性から、以下のような幅広い分野で活用されています。
- 計測機器: オシロスコープ、信号発生器など
- 通信機器: 無線機器、移動体通信端末、ネットワーク機器
- 映像・AV機器: テレビ、VTR、監視カメラシステム
- コンピュータ・事務機器: データ転送
- 家電: 一部の映像・音声接続
- FA機器: 産業用制御・監視システム
BNC50Ωコネクタの規格/寸法
※数値は代表値です。詳しくはお問い合わせください。
相当規格(Compatible Standards) | MIL-C-39012、JIS C 5412 |
特性インピーダンス(Impedance) | 50Ω |
結合方式(Conneciton) | バイオネットロック方式(Bayonet Coupling) |
定格電圧(Voltage Rating) | AC 500V |
耐電圧(Maximum Voltage) | AC 1,500V one minute |
絶縁抵抗(Insulation Resistance) | 1,000MΩ min. at DC 500V |
接触抵抗(Contact Resistance) | 3mΩ max. at DC 1A |
使用周波数範囲(Frequency Range) | 0 ~ 4,000MHz |
材質 | 真鍮(黄銅)、亜鉛ダイカスト |
表面処理 | ニッケルメッキ |
結線方式 | 半田、圧着、締め付け |
BNC 50Ωコネクタに関するFAQ
Q: 50Ωタイプと75ΩタイプのBNCコネクタは物理的に結合できますか?
A: はい、物理的な結合は可能です。例えば、BNC 75Ωのジャックと50ΩのBNCプラグを接続することはできます。しかし、インピーダンスが異なるため、周波数200MHzを超える環境では信号の反射や減衰といった特性劣化が発生します。最適な信号品質とシステム性能を確保するためには、使用する機器やケーブルとコネクタのインピーダンスを必ず一致させることを強くお勧めします。