M型コネクタ
M型コネクタ:堅牢性と経済性を両立した「不整合」同軸コネクタ
M型コネクタは、ネジ式の結合方式を採用し、優れた耐久性と接続安定性を持つ同軸コネクタです。他の同軸コネクタとは異なり、特定の**インピーダンス整合を持たない「不整合コネクタ」**であることが大きな特長です。主に業務用無線やアマチュア無線などの無線通信機器、および一部の測定機器で広く利用されています。
M型コネクタのインピーダンス特性
M型コネクタは、50Ωや75Ωといった明確な特性インピーダンスを持ちません。このため、厳密なインピーダンス整合が要求される高周波用途には不向きですが、**比較的低周波(目安として200MHzまで)**の通信や測定においては問題なく使用できます。
M型コネクタを他のインピーダンス整合型コネクタと変換して使用する場合も、インピーダンス不整合が生じる点に留意が必要です。
M型コネクタの主な特長
- 一体型構造: M型コネクタのプラグ・ジャックは、中心コンタクトがシェルと一体型になっています。このシンプルな構造が、堅牢性とコスト効率の良さに貢献しています。
- 高い経済性と普及率: その安価さから非常に普及しており、電子部品のECサイトなどでも容易に購入できます。交換部品や予備部品の調達も容易です。
- ネジ式結合による安定性: ネジ式の結合方式により、振動や物理的な衝撃に対する接続の安定性に優れています。
- ケーブルサイズへの適応: 適用する同軸ケーブルのサイズに応じて適切なコネクタを選ぶ必要があります。
M型コネクタの主な用途と選び方
M型コネクタは、その特性から以下のような分野で幅広く活用されています。
- 無線通信機器: 業務用無線、アマチュア無線(特に利用頻度が高い)、基地局機器など。比較的低周波で、堅牢性が求められる環境に適しています。
- 測定機器: オシロスコープ、周波数カウンタ、スペクトラムアナライザなど、低周波帯での信号測定に利用されます。
- RFシステム: アンテナ接続、通信設備、研究開発用途など。
選び方のポイント: M型コネクタを選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。
- 適用周波数: 使用する信号の周波数が200MHz以下であることを確認してください。
- ケーブル径: 接続する同軸ケーブルの外径に適合するコネクタサイズを選びましょう。
- 用途の適合性: 厳密なインピーダンス整合が必要なアプリケーションには適しません。低周波の無線通信や汎用的な計測用途での利用が推奨されます。
M型コネクタの規格(仕様一覧)
※数値は代表値です。詳しくはお問い合わせください。
相当規格(Compatible Standards) | JIS C 5419 |
特性インピーダンス(Impedance) | 不整合(Non-Matching) |
結合方式(Conneciton) | ネジ(Threaded Coupling) M16-P1 |
定格電圧(Voltage Rating) | AC 500V |
耐電圧(Maximum Voltage) | AC 1000V one minute |
絶縁抵抗(Insulation Resistance) | 1,00MΩ min. at DC 500V |
接触抵抗(Contact Resistance) | 3mΩ max. at DC 1A |
使用周波数範囲(Frequency Range) | 0 ~ 200MHz |