MCXコネクタ
MCXコネクタとは
超小型・プッシュオン式の高周波同軸コネクタ
MCX (Micro Coaxial Connector)コネクタは、SMBコネクタからさらに約30%の小型化を実現した、プッシュオン方式の同軸コネクタです。その極めてコンパクトなサイズは、限られたスペースでの高密度実装に大きく貢献します。
MCXコネクタの特長
超小型・省スペース: SMBコネクタよりもさらに小型設計であり、機器内部の配線やサブアッセンブリ間接続など、微小な空間での高密度実装を可能にします。
容易な結合方式: ネジカップリング方式と異なり、コネクタのプッシュ操作だけで簡単に結合・分離ができるプッシュオン方式(スナップオンカップリング方式)を採用。ネジ締めが困難な狭小スペースでも迅速な接続作業を実現します。
選択可能なインピーダンス: 標準的な50Ωに加え、低周波帯の映像・放送機器、家電製品、FA機器向けには75Ωタイプもラインナップ。幅広いアプリケーションニーズに対応します。
MCXコネクタとSMB・MMCXコネクタの比較
特徴 | MCXコネクタ | SMBコネクタ | MMCXコネクタ |
サイズ | 小型(SMBより約30%小型) | 中型(MCXより一回り大きい) | 超小型(MCXよりさらに小型) |
結合方式 | プッシュオン(ワンタッチ接続) | スナップオン(MCXより堅牢性が高い) | プッシュオン |
取り扱い | 容易 | 容易 | 小型化ゆえにややデリケート |
耐久性 | 良好 | 良好 | MCXに劣る場合がある |
用途 | 小型機器、汎用 | 広範な機器、基板上、機内配線 | 極限の小型化・軽量化が必要な機器 |
MCXは、サイズと取り扱いやすさのバランスが取れており、SMBより小型で容易な接続が魅力です。一方、MMCXはMCXよりもさらに小型で、究極の省スペースが求められる用途に適していますが、取り扱いには注意が必要です。用途に応じ、サイズ、結合方式、周波数帯などを考慮して最適なコネクタを選定することが重要です。
主な用途
MCXコネクタは、その小型性と信頼性から、以下のような幅広い分野で利用されています。
通信システム、GPSデバイス、医療機器、車載アンテナ、その他小型電子機器
MCXコネクタの規格/寸法
※数値は代表値です。詳しくはお問い合わせください。
相当規格(Compatible Standards) | IEC61169-36 |
特性インピーダンス(Impedance) | 50Ω、75Ω |
結合方式(Conneciton) | プッシュオン方式(Snap-On Coupling) |
定格電圧(Voltage Rating) | AC 170V |
耐電圧(Maximum Voltage) | DC 1,000V |
絶縁抵抗(Insulation Resistance) | 1,000MΩ min. at DC 500V |
接触抵抗(Contact Resistance) | 5.0mΩ max.(Center) / 2.5mΩ max.(outer) |
材質 | 真鍮(黄銅)、ベリリウム銅 |
表面処理 | 金メッキ |
結線方式 | 半田、圧着 |