TNCコネクタ
高振動環境に強い50Ω同軸接続ソリューション
TNCコネクタは、BNCコネクタと同等のサイズでありながら、ネジカップリング方式を採用することで、優れた耐振動性・耐衝撃性を実現した50Ωインピーダンスの同軸コネクタです。主に無線機などの電力伝送用途でその堅牢性が活かされます。当社のラインナップの多くは、BNCプラグの嵌合部をTNCに変換した製品で構成されています。
TNCコネクタの主要な特長
- 優れた耐振動・耐衝撃性: ネジカップリング方式の採用により、BNCコネクタのバヨネットロック方式と比較して、振動や衝撃に対する結合の安定性が格段に向上しています。これにより、厳しい環境下や移動体での使用においても、信号の途絶や劣化のリスクを低減し、高い信頼性を維持します。
- 50Ωインピーダンス設計: TNCコネクタは特性インピーダンス50Ωに設計されており、主に無線機器などの電力伝送用途に最適です。注記: 50Ωタイプのコネクタを75Ωケーブルと組み合わせて使用する場合、周波数200MHz以下であれば75Ωの伝送ラインとして機能する可能性があります。しかし、最適な性能と信号整合性を確保するためには、インピーダンスを一致させることを強く推奨します。
BNCコネクタとの比較
特徴 | TNCコネクタ | BNCコネクタ |
結合方式 | ネジカップリング方式 | バヨネットロック方式 |
耐振動性 | 高(ネジ固定による確実な結合) | 中(ロック機構だが振動で緩む可能性あり) |
着脱容易性 | やや手間(ネジ固定) | 容易(ワンタッチ感覚) |
用途 | 耐振動性が求められる環境での電力伝送など | 汎用的な信号・電力伝送、迅速な着脱が求められる場面 |
インピーダンス | 50Ωが一般的 | 50Ωと75Ωが存在 |
TNCコネクタの主な用途
TNCコネクタは、その堅牢な特性から、特に信頼性と安定した接続が求められる環境で広く活用されています。
- 通信機器: 無線端末、移動体通信機器、基地局
- 計測機器: 振動の多い場所での測定システム
- 産業機器: 振動環境下での信号伝送
- 航空・宇宙: 厳しい環境要件を持つシステム
TNCコネクタに関するFAQ
Q: TNCコネクタとBNCコネクタの主な違いは何ですか?
A: 最も大きな違いは結合方式にあります。
- TNCコネクタは、**ネジカップリング方式(ネジ固定式)**を採用しています。この方式により、結合が非常に確実で、振動や衝撃に強いという特長があります。
- 一方、BNCコネクタは、バヨネットロック方式(差し込んでひねるタイプ)を採用しており、TNCに比べて着脱が迅速で容易です。
そのため、TNCコネクタは、振動が多い環境や、より高い信頼性が求められるアプリケーションで選ばれることが多いです。