配電盤と分電盤の違いとは?役割・設置場所・資格まで分かりやすく解説

配電盤と分電盤の違いとは?役割・設置場所・資格まで分かりやすく解説

配電盤と分電盤は、どちらも電気を供給するための重要な設備ですが、その役割や規模には大きな違いがあります。
配電盤は電力会社から送られてくる高圧の電気を受け取る最初の窓口であり、大規模な施設全体に電気を供給する司令塔の役目を担います。
一方、分電盤は配電盤から送られた電気を、家庭やオフィスの各部屋、各コンセントへと安全に分配する役割を持っています。

この記事では、それぞれの役割や設置場所、必要な資格などの違いを分かりやすく解説します。

配電盤1
送電
分電盤1

配電盤と分電盤の決定的な違いは「電気の司令塔」か「家庭への分配役」か

配電盤と分電盤の決定的な違いは、電気の流れにおける役割と規模にあります。
配電盤は、発電所から送られてくる高圧の電気を施設で使えるように変圧し、建物全体へ電気を供給する「司令塔」です。
主に工場やビルなどの大規模施設に設置されます。

対して分電盤は、配電盤から送られた電気を各部屋やコンセントへ安全に分ける「分配役」を担います。
一般家庭にも設置されており、私たちの身近にある電気設備はこちらを指すことがほとんどです。

【比較】配電盤と分電盤の違いがわかる

配電盤と分電盤には、役割や設置場所、扱う電圧の大きさなど、様々な違いが存在します。
これらの相違点を項目ごとに整理し、比較表としてみることで、両者の特性をより明確に理解できます。
例えば、電気を受け取る対象が電力会社なのか、あるいは施設内の配電盤からなのかといった供給元の違いや、設置に必要な資格が第一種電気工事士か第二種電気工事士かといった点も、この比較を通じて具体的に把握することが可能です。

それぞれの役割を分かりやすく解説

配電盤と分電盤は、どちらも安全な電力供給に不可欠な設備ですが、その仕組みと役割は大きく異なります。
配電盤は電力網の根幹に関わる設備として高圧電力を一括で管理し、変圧して施設全体に供給する心臓部です。

一方、分電盤はそこから送られてきた電気を末端の回路へ分配する、より生活に密着した役割を担います。
このセクションでは、それぞれの具体的な役割と仕組みについて詳しく見ていきましょう。

配電盤の役割:電力会社からの高圧電力を受け取り施設全体へ送る

配電盤は、電力会社から送電される6,600Vもの高圧電力を最初に受け取る設備です。
その主な役割は、この高圧の電気を、施設内で安全に使用できる低い電圧(100Vや200V)に変換(変圧)することにあります。
変圧器や遮断器、保護継電器といった機器で構成されており、施設全体の電力をまとめて管理する司令塔として機能します。

変圧された電気は、建物内の各フロアやエリアに設置された分電盤へと送られます。
このように、配電盤は大規模な電力系統の入口として、安全かつ安定的に電気を供給するための基幹となる重要な役割を担っており、分電盤との機能の違いはここにあります。

分電盤の役割:各部屋のコンセントへ電気を安全に分配する

分電盤は、配電盤から送られてきた電気を、照明器具やコンセントといった最終的な使用場所へ分配するための設備です。
家庭やオフィス内の各回路に電気を安全に届ける役割を担っています。
内部には、漏電ブレーカーや配線用遮断器(安全ブレーカー)などが設置されており、電気の使いすぎ(過電流)や漏電といった異常が発生した際に、自動で電気を遮断して火災や感電事故を防ぐ重要な安全装置としての機能も備えています。

つまり、分電盤は電気を最終的に利用する私たちにとっての安全を守る番人のような存在と言えます。

配電盤2
分電盤2

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設置されている場所で見分ける方法

配電盤と分電盤は、どこに設置されているかを知ることで簡単に見分けられます。
配電盤は高圧電力を扱うため、一般の人が容易に触れられない専門的な区画に設置されるのが通常です。
一方で、分電盤は各家庭や小規模なテナントにも必ず設置されており、比較的目につきやすい場所にあります。

それぞれの典型的な設置場所を知ることで、どちらの設備なのかを判断する手がかりになります。

配電盤の設置場所:ビルや工場の電気室(キュービクル内)

配電盤は、高圧の電気を受け取り管理するための大規模な設備であり、その性質上、専門の電気室や屋外に設置された金属製の箱である「キュービクル」の内部に収められています。
これらの場所は、関係者以外が立ち入ることができないように施錠管理されているのが一般的です。
ビル、工場、病院、商業施設といった大量の電力を消費する建物の受電設備として設置されており、日常的に一般の人の目に触れる機会はほとんどありません。

もし建物の敷地内で「高圧危険」といった表示がある設備を見かけた場合、それは配電盤が収められているキュービクルである可能性が高いです。

分電盤の設置場所:一般家庭の玄関や廊下、洗面所

分電盤は、各家庭やマンションの各戸、オフィスのフロア内など、電気を使用する区画ごとに設置されています。
一般家庭においては、玄関のシューズボックスの上、廊下の壁、洗面所や脱衣所といった、比較的目につきやすく、万が一の際に操作しやすい場所に設置されていることが多いです。
集合住宅の場合は、玄関ドアの横にあるパイプスペース内に収められていることもあります。

ブレーカーが落ちた際に復旧作業を行う箱が、まさにこの分電盤です。
日常生活の中で目にすることができる身近な電気設備であり、この点が配電盤との大きな違いです。

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扱っている電圧の大きさの違い

配電盤と分電盤を区別する上で、扱っている電圧の大きさは決定的です。
配電盤は電力会社から供給される非常に高い電圧を直接扱いますが、分電盤は家庭で安全に使えるように降圧された、はるかに低い電圧を扱います。
この電圧の違いが、設備の規模や構造、そして取り扱いに必要な資格の差にも直結しており、両者の根本的な性質を定義づける要素となっています。

配電盤が扱う電圧:高圧の電気(6,600V)

配電盤が取り扱うのは、電力会社の変電所から直接送られてくる6,600Vの高圧電力です。
これは一般家庭で使用される100Vの電圧と比較して66倍もの大きさであり、人体が触れると即座に命に関わる極めて危険なレベルです。
この高圧電力を安全に受け入れ、施設内で使用可能な低圧電力へと変換することが配電盤の主要な役割の一つです。

そのため、設備自体も大型で堅牢な構造をしており、厳重な安全対策が施された電気室やキュービクル内に設置されます。
このような高電圧を扱うため、点検や工事には専門的な知識と高度な技術が不可欠です。

分電盤が扱う電圧:家庭用の低圧な電気(100V/200V)

分電盤が取り扱うのは、配電盤によって安全なレベルまで電圧を下げられた後の低圧電力です。
具体的には、照明や一般的な家電製品に使用される100V(ボルト)と、エアコンやIHクッキングヒーターといったより多くの電力を必要とする機器に使われる200Vの電気です。

これらは「低圧」の区分に分類され、高圧電力と比較して危険性は低いものの、感電のリスクがまったくないわけではありません。
分電盤は、この低圧の電気をさらに各コンセントや照明回路へと安全に分岐させる役割を担っており、私たちの生活に最も身近な電圧を管理する設備です。

配電盤2
分電盤2

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工事や交換に必要な資格の違い

配電盤と分電盤は、扱う電圧の危険性が大きく異なるため、その工事や交換、メンテナンスに必要とされる電気工事士の資格も異なります。
高圧電力を扱う配電盤の作業は、より高度な知識と技術が求められる上位資格が必要です。

一方、家庭用の低圧電力を扱う分電盤は、より基本的な資格で対応が可能です。
この資格要件の違いは、安全な電気工事を行う上で極めて重要な基準となります。

配電盤の工事には第一種電気工事士の資格が求められる

配電盤は、6,600Vもの高圧電力を扱うため、その工事や点検、交換作業は非常に危険を伴います。
そのため、これらの作業を行えるのは、電気工事士の中でも上位資格である「第一種電気工事士」の資格を持つ者に限定されています。
第一種電気工事士は、高圧を含む大規模な電気工作物(最大電力500kW未満)の工事に従事できる専門家です。

資格を持たない者が配電盤の作業を行うことは、法令で固く禁じられており、重大な事故につながる恐れがあります。
これは、安全を確保し、電力供給の信頼性を維持するための重要な規定です。

分電盤の工事は第二種電気工事士の資格で対応できる

分電盤が扱うのは、100Vや200Vといった家庭用の低圧電力です。
このため、分電盤の設置や交換、配線の変更といった工事は、「第二種電気工事士」の資格があれば行うことが可能です。
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な店舗など、600V以下で受電する設備の電気工事に従事できる資格です。

したがって、自宅の分電盤が古くなった際の交換や、リフォームに伴う回路の増設といった一般的な電気工事は、第二種電気工事士の資格を持つ電気工事業者に依頼することになります。
ただし、資格のない個人がDIYで分電盤を触ることは法律で禁止されています。

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トラブル発生時の対処法と寿命について

電気設備である配電盤や分電盤も、経年劣化による寿命があり、時にはトラブルが発生することがあります。
特に家庭で頻繁に起こるブレーカーが落ちる問題は、分電盤の操作で対処できる場合がほとんどです。
また、どちらの設備にも安全に使用できる期間の目安があり、適切な時期に点検や交換を行うことが、電力の安定供給と安全確保のために重要です。

家庭でブレーカーが落ちた場合は「分電盤」を確認する

家庭で突然電気が消えた場合、その原因の多くは電気の使いすぎや漏電によるもので、分電盤内のブレーカーが作動したことによるものです。
この場合、まずは落ち着いて玄関や洗面所などに設置されている分電盤を確認しましょう。
分電盤の蓋を開けると、複数のスイッチが並んでいます。
落ちているスイッチを見つけ、一度完全に下に下げてから、再度上に上げることで復旧できます。

特定の部屋だけが消える場合はその部屋の配線用遮断器、家全体が消える場合は漏電ブレーカーやアンペアブレーカーが原因と考えられます。
頻繁にブレーカーが落ちる場合は、専門家への相談が必要です。

配電盤と分電盤の交換時期の目安は約15年〜20年

配電盤や分電盤は、長期間使用することで内部の部品が劣化し、性能が低下したり、故障のリスクが高まったりします。
一般的に、これらの設備の耐用年数、つまり交換を検討すべき時期の目安は、設置から約15年〜20年とされています。
特に分電盤に内蔵されているブレーカーは、15年を過ぎると経年劣化により、いざという時に正常に作動しない可能性も出てきます。

古い設備を使い続けることは、漏電や火災といった重大な事故につながる危険性もあるため、設置から年数が経過している場合は、専門の電気工事業者に点検を依頼し、必要に応じて交換を検討することが安全のために推奨されます。

混同しやすい「制御盤」や「ブレーカー」との違い

電気設備には、配電盤や分電盤以外にも似たような名称のものが存在します。
「制御盤」や「ブレーカー」もその一つで、それぞれの役割を正しく理解しておくことで、混乱を避けることができます。
制御盤は電気を供給するのではなく機械を動かすための装置であり、ブレーカーは分電盤などを構成する部品の一つです。

これらの用語との違いを明確にすることで、電気設備に関する理解がより深まります。

「制御盤」とは機械や設備の動作をコントロールする装置

制御盤は、工場などで使われる機械や、ビル内の空調、エレベーターといった設備の動作を自動でコントロールするための装置です。
電気を各所に分配する配電盤や分電盤とは目的が根本的に異なり、リレーやタイマー、PLCといった制御機器が内部に組み込まれています。

例えば、ベルトコンベアを決められたタイミングで動かしたり止めたり、室温に応じてエアコンの運転を調整したりといった、特定の動作を管理するのが制御盤の役割です。
電気の供給が目的ではなく、電気を使って機械を意図通りに動かすための頭脳部分と考えると分かりやすいでしょう。

「ブレーカー」とは分電盤に内蔵されている安全装置

ブレーカーは、配電盤や分電盤そのものを指す言葉ではなく、それらの盤の中に設置されている個別の部品のことです。
正式名称は「配線用遮断器」や「漏電遮断器」などと呼ばれます。
その主な役割は、回路に許容量以上の電流が流れたり、電気が漏れているのを検知した際に、自動的に電気回路を遮断して、電化製品の故障や配線の焼損、火災、感電といった事故を未然に防ぐことです。

つまり、分電盤という箱の中に、電気を安全に使うための番人としてブレーカーが複数設置されている、という関係性になります。

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配電盤と分電盤に関するよくある質問

配電盤と分電盤については、その違いや役割に関して多くの疑問が寄せられます。
ここでは、特に多くの方が疑問に思う点について、Q&A形式で簡潔に解説します。
一般家庭にあるのはどちらなのか、資格がなければ触れないのか、といった基本的な質問から、マンションの共用部にある設備の判別方法まで、具体的な疑問にお答えします。

Q1. 一般家庭に設置されているのは配電盤ですか?分電盤ですか?

一般家庭に設置されているのは「分電盤」です。
分電盤は、電力会社から供給された電気を、各部屋の照明やコンセントへ安全に分配する役割を担っています。

玄関や洗面所にあるブレーカーが入った箱がこれにあたります。
配電盤は高圧電力を扱う大規模な設備で、工場やビルなどに設置されます。

Q2. 資格がないと配電盤や分電盤の交換や修理はできませんか?

はい、できません。
配電盤や分電盤の交換・修理は、感電や火災の危険を伴うため、法律で定められた電気工事士の資格が必要です。
特に高圧を扱う配電盤は第一種、家庭用の分電盤は第二種電気工事士の資格が求められます。

安全のため、作業は必ず専門の業者に依頼してください。

Q3. マンションの共用部にある大きな電気設備は配電盤ですか?

マンションの共用部にある大きな電気設備は「配電盤(受変電設備)」である可能性が高いです。
これは、マンション全体で使う高圧の電気をまとめて受け取り、各住戸や共用灯、エレベーターなどで使える低い電圧に変圧するための設備です。
各住戸の室内にあるのは分電盤となります。

まとめ

配電盤と分電盤は、名称が似ているものの、その役割、規模、設置場所、扱う電圧において明確な違いがあります。
配電盤は、電力会社からの高圧電力を受け取り、変圧して施設全体に供給する「司令塔」であり、主に大規模施設の電気室などに設置されます。

一方、分電盤は、配電盤から送られた電気を各家庭やオフィスの回路へ安全に分配する「分配役」で、玄関や廊下など身近な場所にあります。
これらの違いを理解することは、電気設備の安全な取り扱いや、適切なメンテナンスを行う上で基礎となります。

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