スライダックとは|BuhinDana

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スライダックとは、交流電圧を連続的に、かつ無段階で調整できる電圧調整器の一種です。その名前は株式会社東芝の商標でしたが、現在では同種の製品一般を指す名称として広く使われています。単巻変圧器を応用した構造を持ち、試験設備や温度・照度調整など、幅広い分野で活用されています。

スライダックの概要

スライダックは、交流電圧を自在に調整するために用いられる機器です。単巻変圧器の原理を応用しており、入力された交流電圧を出力側で連続的に変化させることが可能です。円筒形の筐体に電圧調整用のダイヤルやつまみが付いているものが一般的で、これを回すことで出力電圧をスムーズに増減させることができます。

スライダック(交流電圧調整器・スライドトランス・ボルトスライダー)は |BuhinDana
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         据置型    パネル取付型
 山菱電機のスライダック各製品はこちら
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スライダックの特徴

スライダックは、単巻変圧器を応用した構造により、効率が良く電力損失が少ないという特徴があります。また、サイリスタなどの半導体を使用した電圧制御装置とは異なり、出力波形の歪みが非常に少ないのも利点です。

電圧調整の仕組み

スライダックの電圧調整は、リング状の鉄心に巻かれた単層の絶縁された巻線の上を、カーボンブラシなどの摺動子が接触しながら移動する仕組みで行われます。摺動子の位置を変えることで、巻線のどの部分から出力を取り出すかが変わり、これにより出力電圧が連続的に変化します。

さまざまな電圧への対応

スライダックは、低圧から高圧、さらには特殊な電圧まで、幅広い電圧に対応できる製品が存在します。単相だけでなく三相に対応したタイプもあり、用途に応じた多様な製品が提供されています。

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スライダックの用途

スライダックは、その連続的な電圧調整機能を活かして様々な用途に利用されています。試験設備においては、被試験機器に供給する電圧を精密に変化させる用途で広く使われています。また、ヒーターの温度調整や照明の照度調整といった、電力によって制御される機器の出力調整にも用いられます。工場設備や医療機器、家庭電化製品の電圧調整や、電動機の回転速度調整、研究室での実験用電源など、その応用範囲は多岐にわたります。

スライダックと誘導電圧調整器

スライダックと誘導電圧調整器(IVR)は、どちらも交流電圧を連続的に調整する機器ですが、その原理には違いがあります。スライダックが単巻変圧器の摺動子によって電圧を調整するのに対し、誘導電圧調整器は、固定子と回転子の相対的な位置関係を変化させることで誘導起電力を制御し、出力電圧を調整します。スライダックは比較的構造が単純で波形歪みが少ないという特徴がありますが、誘導電圧調整器も高精度な電圧供給が可能で、大容量のものも存在します。

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スライダック使用時に気をつけたいポイント

スライダックを安全かつ適切に使用するためには、いくつかの注意点があります。まず、定格容量や最大出力電流を超えて使用することは、焼損や故障の原因となるため絶対に避ける必要があります。入力電圧と出力端子を誤って接続すると機器が損傷する可能性があるため、接続時には十分な確認が必要です。また、長時間の連続使用はコイルの損傷につながる場合があるため、連続して使用する場合は定格電流に対し電流を絞るなどの考慮が必要です。屋内用として設計されているため、雨中や水のかかる場所での使用は感電や故障の原因となります。通風孔を塞がないように設置し、内部温度の上昇を防ぐことも重要です。異常を感じた際は直ちに使用を中止し、専門業者に点検・修理を依頼しましょう。

関連する計測器の種類

スライダックを使用する際や、電圧・電力の調整に関連して使用される計測器は多岐にわたります。出力電圧を確認するためには電圧計が必須となります。負荷に流れる電流を測定するためには電流計を使用します。電力計は、電圧と電流から電力を測定し、機器の消費電力などを把握するのに役立ちます。オシロスコープは、電圧や電流の波形を観測することで、波形に歪みがないかなどを確認する際に使用されます。その他にも、絶縁抵抗計や各種アナライザなど、測定目的や対象となる電気機器の種類に応じて様々な計測器がスライダックと組み合わせて使用されます。

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