タクトスイッチ |BuhinDana
タクトスイッチは、様々な電子機器に搭載される基本的な入力用部品です。
小型でありながら確実な操作感を提供するため、民生用から産業用に至るまで幅広い製品で採用されています。
アルプスアルパインやNKKスイッチズといった主要な電子部品メーカーからも、多種多様な仕様の製品が供給されており、設計要件に応じた選択が可能です。
この記事では、タクトスイッチの基本的な構造から種類、選定のポイント、具体的な使用例までを詳しく解説します。
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タクトスイッチとは?クリック感のある操作が特徴の入力部品
タクトスイッチとは、ボタンを押した際に「カチッ」としたクリック感(触覚フィードバック)が得られる小型の押しボタン式スイッチ(プッシュスイッチ)の一種で、タクタイルスイッチとも呼ばれます。
この明確な操作感が、入力が確実に行われたことをユーザーに伝えます。
その構造は、主に操作部であるステム、可動接点、金属製のドーム、固定接点、そしてこれらを収めるケースから構成されます。
ステムを押し込むと金属ドームが反転し、可動接点が固定接点と接触することで回路が導通(ON)する仕組みになっています。
タクトスイッチの主要な種類とそれぞれの特徴
タクトスイッチには、実装方法や形状、付加機能によって様々な種類が存在します。
例えば、操作部の視認性を高めるためにLEDを内蔵したタイプや、薄型化が求められるPCのキーボードなどに使用されるメンブレンタイプがあります。
操作方向も一般的に真上から押すトッププッシュ型だけでなく、基板に対して水平方向から操作するサイドプッシュ型も存在します。
電気的な仕様としては、通常は押した時に回路がONになるノーマルオープンが一般的ですが、押していない時にON状態となるノーマルクローズの製品もラインナップされています。
実装方法で分かれる表面実装タイプと挿入実装タイプ
タクトスイッチの基板への取り付け方法には、大きく分けて表面実装タイプとスナップイン(挿入実装)タイプがあります。
表面実装(面実装)タイプは、基板表面のパッドに直接はんだ付けする方式で、高密度な部品配置が可能となり、製品の小型化・薄型化に貢献します。
一方、スナップイン(挿入実装)タイプは、基板に設けられた穴にスイッチの端子を差し込んではんだ付けするため、表面実装に比べて高い機械的強度を確保できる点が特徴です。
端子の形状には、基板に対して垂直に取り付けるラジアルリードや、仮固定が可能なスナップインなどがあり、使用するモジュールや3D実装の要件に応じて適切なタイプが選定されます。
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省スペース化に貢献する小型タイプ(タクトスイッチSなど)
電子機器の小型化・薄型化の進展に伴い、タクトスイッチにも極めて小さいサイズの製品が求められています。
これらの小型・薄型タイプは、スマートフォンやウェアラブル端末、携帯音楽プレーヤーなど、実装スペースに厳しい制約がある製品には不可欠な部品です。
サイズは数mm角のものが主流であり、高さが1mmを切るような製品も珍しくありません。
形状も一般的な四角形だけでなく、デザインの自由度を高める丸型なども存在します。
多くの場合、押しボタンのキーシートと組み合わせて使用され、製品全体のコンパクトな設計を実現します。
特殊な機能を持つタイプ(防水・防塵・静音)
標準的なタクトスイッチの他に、特定の用途や使用環境に対応するための特殊機能が付加されたタイプもあります。
代表的なものとして、防水防塵性能を備えたスイッチが挙げられます。
これは、内部構造をラバー製のシール材やシートで保護することにより、水や埃の侵入を防ぐ構造になっており、屋外で使用される機器やキッチン・バスルーム用品などに適しています。
また、クリック感は維持しつつ操作音を大幅に低減した静音タイプも存在し、静粛性が求められる医療機器やレコーディングスタジオの音響機器、高級車の車内スイッチなどで利用されます。
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用途に合わせたタクトスイッチの選び方で失敗しない4つのポイント
最適なタクトスイッチを選定するためには、単にサイズや外観だけでなく、複数の技術的な仕様を慎重に比較検討する必要があります。
電気的な特性、操作感、期待される製品寿命、そして使用される環境への耐性など、考慮すべきポイントは多岐にわたります。
国内外の各メーカーから膨大な種類の製品が供給されているため、これらの選定ポイントを明確にすることで、設計する製品の要求仕様に合致した、信頼性の高い部品を効率的に見つけ出すことができます。
定格電圧・電流といった電気的仕様の確認
タクトスイッチを選定する上で最も重要なのが定格電圧と定格電流の確認です。定格とは、そのスイッチが安全に開閉できる電圧と電流の最大値を示したもので、この値を超えて使用すると接点の溶着や焼損を引き起こし、故障の原因となります。
タクトスイッチは主に信号切り替え用途の微小電流回路で使われることが多く、1Aを超えるような電源回路の直接開閉には適していません。また、接点が接触した際の電気抵抗である接触抵抗も重要な指標で、この値が低いほど信号の損失が少なくなります。設計する回路の電圧・電流を把握し、スイッチの仕様がそれを満たしているか必ず確認します。
操作感に影響する作動力と移動量(ストローク)
タクトスイッチ特有のクリック感は、作動力と移動量(ストローク)の二つの要素によって大きく左右されます。
作動力とは、スイッチをONにするために必要な力のことで、一般的にニュートン(N)という単位で表されます。
この値が大きいほどしっかりとした押し心地になり、小さいほど軽いタッチで操作できます。
一方、ストロークはボタンを押し始めてから接点が閉じるまでの距離を指します。
ミドルストロークのように移動量が大きいタイプは、押した感覚が分かりやすく確実な操作感が得られます。
製品の用途やターゲットユーザーを考慮して、最適な操作感を持つスイッチを選ぶことが重要です。
製品寿命に関わる動作回数のチェック
タクトスイッチの仕様書には、製品寿命の目安となる動作回数が記載されています。
これは、規定された条件下でスイッチが性能を維持したまま開閉動作を行える回数を示し、製品の信頼性や耐久性を判断するための重要な指標です。
例えば、テレビのリモコンの電源ボタンやゲーム機のコントローラーなど、使用頻度が極めて高い箇所には、数百万回以上の動作が保証された長寿命タイプのスイッチが採用されます。
一方で、機器の初期設定用など、操作頻度が低い箇所であれば標準的な耐久性の製品で十分な場合もあります。
製品に求められる信頼性に応じて、適切な動作回数を持つスイッチを選定します。
使用環境に適した保護等級(IPコード)の選定
タクトスイッチを屋外や工場、水回りなど、粉塵や水滴にさらされる可能性のある環境で使用する際には、保護等級(IPコード)の確認が不可欠です。
IPコードは「IP」に続く2桁の数字で構成され、1桁目は固形異物(指や粉塵など)に対する保護レベル、2桁目は水の侵入に対する保護レベルを示します。
例えば「IP67」の場合、最高レベルの防塵性能と、一定時間水中に没しても内部に水が浸入しない防水性能を持つことを意味します。
スイッチの取り付け方向によっても防水・防塵性能が変化することがあるため、仕様書を詳細に確認し、使用環境に適した保護等級を持つ製品を選びます。
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タクトスイッチはどのような製品に使われている?具体的な使用例
タクトスイッチは、小型で信頼性の高い操作感から、私たちの身の回りにあるあらゆる電子機器に組み込まれています。
その用途は非常に幅広く、家庭で使われるリモコンや調理家電の操作部から、自動車の制御システム、さらには高い精度と信頼性が求められる産業・医療分野の機器に至るまで、様々な場面で活躍しています。
これらの製品において、タクトスイッチはユーザーの意思を的確に機器へ伝えるための重要なインターフェースとして、その機能性と操作性を支える基盤部品の役割を担っています。
家電製品・AV機器の操作ボタン
テレビ、エアコン、オーディオシステムのリモコンや、電子レンジ、炊飯器といった調理家電の操作パネルには、操作用の入力デバイスとしてタクトスイッチが広く使用されています。
これらの製品では、ユーザーがボタンを押したことを明確に認識できるよう、はっきりとしたクリック感が求められます。
また、多数のボタンを限られたスペースに配置する必要があるため、小型であることも重要な採用理由です。
タクトスイッチは、こうした家電製品やAV機器の使いやすさを支える基本的な部品として、数多く搭載されています。
自動車のステアリングスイッチやキーレスエントリー
現代の自動車には、ドライバーの安全性と快適性を高めるための電子機器が数多く搭載されており、タクトスイッチがその入力インターフェースとして重要な役割を担っています。
例えば、ステアリングホイールに装備されたオーディオコントロールやクルーズコントロールのスイッチ、パワーウィンドウの操作ボタン、そしてキーレスエントリーシステムの携帯リモコンキーなどが具体的な使用例です。
また、軽押しで機能選定、深押しで機能動作ONをするというようなダブルクリック機能を備えたダブルアクションタイプなど高機能なタクトスイッチも車載中心に広がっています。
車載用の部品には、走行中の振動や厳しい温度変化に耐えうる高い信頼性と耐久性が要求されるため、厳格な品質基準をクリアしたタクトスイッチが選定されています。
産業機器・医療機器の制御パネル
工場の生産設備を制御する操作盤や、精密な操作が求められる医療機器の制御パネルにおいても、タクトスイッチは不可欠な部品です。
これらの分野では、誤操作が許されないため、押した感覚が明確で確実な入力ができるスイッチが必須です。
特に産業現場では、作業者が手袋を着用したまま操作するケースも想定されるため、適度なストロークと作動力を持つスイッチが選ばれる傾向にあります。
また、使用環境に応じて、防水・防塵性能や耐油性、耐薬品性を備えた高信頼性のタクトスイッチがパネルに組み込まれます。
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まとめ
タクトスイッチは小型でありながらクリック感という明確な操作フィードバックを提供できるため民生機器から産業機器まで幅広い製品の入力インターフェースとして採用されています
その選定においては定格電圧・電流作動力やストロークといった操作感動作回数で示される耐久性そして使用環境に応じた保護等級など多角的な視点での検討が必要です。
電子部品のスイッチには回路の接続先を切り替えるスライドスイッチやレバーを上下または左右に倒してON/OFFを切り替えるトグルスイッチなど他にも様々な種類があります
それぞれのスイッチの特性を深く理解し設計要件に合わせて使い分けることが製品開発において重要です。
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